歯科用顕微鏡ーマイクロスコープ

歯科用顕微鏡を活用した「審美歯科治療」「根管治療」

当院では、審美歯科治療(差し歯治療)、そして根管治療(根っこの治療・神経の治療)において歯科用顕微鏡(マイクロスコープとも言います)を利用しています。

歯科用顕微鏡とはその名の通り、「治療部分を高倍率で拡大する」最新機器です。
歯の治療は非常に繊細を極めます。肉眼でも治療は可能ですが、その精度は歯科用顕微鏡には到底及びません。私も歯科用顕微鏡を導入し、実際に治療を始めた時は、「見える!!見えるぞっ!!」と驚きを隠せなかったことを今でも鮮明に憶えています。

歯科用顕微鏡を利用することで、「今までよりもしっかり治療部位を確認しながらの治療」が可能となり、そして「今まで見えていなかった部分が見える」ようになります。
特に審美性を追求する「審美歯科治療」や、汚染部位の取り残しが許されない「根管治療」においては非常に重要な機器となります。

次節からは、「歯科用顕微鏡を利用した場合」と、「そうではない場合」の治療クオリティの違いを「審美歯科治療(差し歯)」と「根管治療(根っこの治療・神経の治療)」に分けてお伝えしていきます。

歯科用顕微鏡を利用した「審美歯科治療」のクオリティ

まずは歯科用顕微鏡を利用した時の私の視界を動画でご紹介します。
あまり長く見ても理解できないと思いますが、治療中の私の視界が、かなりの高倍率で拡大されていることを感じて頂ければと思います。

審美歯科治療(差し歯)は、セラミックの詰め物・かぶせ物を利用して、歯の色・形・歯並びなどを美しく整える治療です。単に歯を削って詰め物・かぶせ物をする治療とは次元が異なります。

「美」を追求するには考えるべきいくつもの基準(ゴールデンプロポーション等)があるのですが(詳しくはこちら)、それらを達成させるためには「精密さ」が基本となります。この「精密さ」を達成させてくれるのが歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)になります。実際に歯科用顕微鏡が活躍する工程をご紹介します。

支台形成

支台形成とは、詰め物・かぶせ物の土台となる部分を作る工程です。
この工程の精度次第で、かぶせ物・詰め物の形態が決まってしまいますので、非常に精度が要求される工程となります。

マイクロスコープを利用することで、肉眼で治療する場合と比較し次のような違いが生まれます。

①ミクロン単位での正確な微調整が可能

美しいかぶせ物等を作成するためには、歯を削る量が少なすぎても多すぎてもいけません。
歯の中には神経がありますので、大きく削りすぎると神経を痛めてしまいます。かといって小さく削ると、どうしても出来上がるかぶせ物等が大きくなってしまいますので、審美性を獲得することはできません。マイクロスコープを利用すれば、肉眼と異なり、この微妙な調整がミクロン単位で可能となります。

また、他院で審美歯科治療をされた方からよく受ける相談が、「歯と歯肉との継ぎ目が黒く見えてカッコ悪いので何とかしてほしい」というものです。下記のような症例ですね。

これは支台形成の際、歯肉下に隠れている歯をしっかり削り込んでいないことが原因です。
理想的には歯肉の中1mm下まで削り込むことでこの問題が解消されます。
これは肉眼ではなかなか正確に調整するのは難しい部分なのですが、マイクロスコープを利用することで正確に調整可能となります。下の画像を見て頂きたいのですが、赤い線が記されている部分が1mmです。これが歯肉中に入りこませる設計をとることで審美性が獲得できます。

下の症例は他院での失敗症例を当院でリカバリーした症例になります。

②隣接する歯や歯肉を傷つけない

歯を削る際、治療対象ではない隣の歯や歯肉を誤って傷つけてしまう事があります。審美歯科治療では、たとえ1本の歯を治療する場合でも、他の歯の色・形、歯肉のバランスなど、お口全体のバランス(色・形)を考える必要がありますので、治療の際に他の歯や歯肉を傷つけてしまうと、お口全体のバランスが微妙に崩れ「口元の美」が達成されない場合があります。マイクロスコープを利用することでこのような事故は未然に防ぐことが可能になります。

歯科用顕微鏡を利用した「根管治療」のクオリティ

まずは歯科用顕微鏡を利用した時の私の視界を動画でご紹介します。
あまり長く見ても理解できないと思いますが、治療中の私の視界が、かなりの高倍率で拡大されていることを感じて頂ければと思います。

根管治療(根っこの治療・神経の治療)とは、虫歯に侵された神経を除去し、神経が入っていた「管」を綺麗に清掃する治療です。

下の画像を見てください。黒くなっている部分が根管です。

この部分を「手作業」で清掃していくのですが、少し見ただけでも複雑な治療であることが分かると思います。また、管が入り組んでいて「肉眼」では完全に把握できないケースもあります。把握できないということは、「その部分は清掃しない・できない」ということになりますので、その部分が原因で治療後の「痛み」「腫れ」の原因となることもあります。

しかし、歯科用顕微鏡を利用すると、肉眼では見えなかった部分が見えるようになりますので、「清掃しない・できない」ということは高確率で回避できます。

上記の画像は歯科用顕微鏡の視野になりますが、矢印部分は「肉眼」では把握できなかった根管です。マイクロスコープを利用することでここまではっきり見えるようになります。

根管治療に関して、当院の体制をもっと掘り下げて記載したページがありますので、ご興味がある方は是非こちらをご参照ください。

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